ホウ素欠乏が現れるのは、培養土の中のホウ素が不足している場合だけとは限りません。ホウ素などの微量要素は、培養土のpHが高くアルカリ性に傾いている場合に水に溶けにくくなり根から吸収されにくくなります。また、吸収できるホウ素が十分にあっても、急にサボテンの生長が旺盛になって細胞壁づくりに材料のホウ素の供給が間に合わなくなった時などにも障害が発生するリスクが高まります。その証拠に、写真の茜丸は昨年の障害発生後、何の対処をしなくても冬の気温低下に伴って生長が鈍化し回復したものです。あいとう松田農園では培養土にホウ素を含む土づくり資材を添加していますが、それでも発生は止められません。さらにその上で、根をしっかり張らせ、水を控え気味にしてゆっくり生長させ、気孔が開く夜間にそよ風を当ててやるなどの工夫をすればこの障害を減らせるのではないかと思っています。なんとなく理屈は分かっているつもりでも、なかなかそれができないのがあいとう松田農園の特徴。毎年同じ障害を出す失敗を繰り返しています。。。